特定健診・特定保健指導とは?
40歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者を対象として、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)の予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のための健診・保健指導が実施されます。これを「特定健康診査(特定健診)」・「特定保健指導」といい、当組合を含め、平成20年4月より医療保険者は実施を義務づけられています。
特定健診・特定保健指導の目的
これまでの健診・保健指導は「病気の早期発見・早期治療」を目的としていました。
特定健診・特定保健指導では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)に着目し、その要因となっている生活習慣を改善するための保健指導を行い、糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群を減少させること(病気の予防)を目的としています。生活習慣病は自覚症状がないまま進行するため、健診は個人が生活習慣を振り返る絶好の機会と位置づけ、行動変容につながる保健指導を行います。
特定健康診査(特定健診)とは?
特定健康診査(特定健診)は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)に着目した、生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診です。健診項目には、内臓脂肪の蓄積状態をみるために腹囲の計測が追加されるなど、特定保健指導の対象者を的確に抽出するための検査項目が導入されています。
対象者は40歳以上75歳未満の加入者となります。特定健診の結果をもとに、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さに応じて、レベル別(「動機付け支援」・「積極的支援」)に特定保健指導の対象者の選定を行います(階層化という)。
なお、特定健診を受けた人には、全員に健診結果に基づいて一人ひとりにあった「情報提供」が、結果の通知と同時に行われます。
階層化のステップ
1.腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定します。
腹囲 | 男性85cm以上、女性90cm以上 | → | (1) |
---|---|---|---|
腹囲 | 男性85cm未満、女性90cm未満 かつBMIが25以上 |
→ | (2) |
※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
2.検査結果、質問票より追加リスクをカウントします。
①~③はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の判定項目、④はその他の関連リスクとし、④の喫煙歴については①~③のリスクが1つ以上の場合にのみカウントします。
①血糖 | a 空腹時血糖 100mg/dl 以上 または b HbA1c(NGSP値)の場合 5.6% 以上 |
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②脂質 | a 中性脂肪 150mg/dl 以上 または b HDLコレステロール 40mg/dl 未満 |
③血圧 | a 収縮期 130mmHg 以上 または b 拡張期 85mmHg 以上 |
④質問票 | 喫煙歴あり |
3.1、2から保健指導レベルをグループ分けします。
(1)の場合
①~④のリスクのうち 追加リスクが
2以上の対象者は | 積極的支援レベル |
---|---|
1の対象者は | 動機付け支援レベル |
0の対象者は | 情報提供レベル |
(2)の場合
①~④のリスクのうち 追加リスクが
2以上の対象者は | 積極的支援レベル |
---|---|
1の対象者は | 動機付け支援レベル |
0の対象者は | 情報提供レベル |
4.以下の条件を踏まえて保健指導レベルを確定します。
■前期高齢者(65歳以上75歳未満)は、積極的支援となった場合でも動機付け支援とします。
■服薬中の人は医療保険者による特定保健指導の対象者にしません。
特定保健指導とは?
特定保健指導は、階層化により「動機付け支援」「積極的支援」に該当した人に対して実施されます。
自分の健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組みを継続的に行うことができるようにすることにあり、対象者が健康的な生活に自ら改善できるよう、さまざまな働きかけやアドバイスを行います。
動機付け支援
生活習慣の改善を促す支援が、原則1回受けられます。
医師、保健師、管理栄養士らの指導のもとに行動計画を作成し、生活習慣改善に取り組めるように、専門家が原則1回の動機付けを行います。計画どおり効果が出ているかなどを評価します。
(例:グループ支援、個別支援など)
積極的支援
複数回にわたって、継続的な支援が3ヶ月以上受けられます。
医師、保健師、管理栄養士らの指導のもとに行動計画を作成し、生活習慣改善に取り組めるように、専門家が原則1回面談を行います。6ヶ月後、計画どおり効果が出ているかなどを評価します。
(例:グループ支援、個別支援、電話、Eメールなど)
当健康保険組合の特定健康診断実施計画
こちらをご参照ください。特定健康診査等実施計画
